課税や規制といった締め付けによって、弱い労働者の取り分は増えない

課税や規制といった締め付けによって事業者を苦しめれば弱い労働者の取り分が増えるという期待は、いつの時代にも叫ばれるがかなうことがない。 “課税や規制といった締め付けによって、弱い労働者の取り分は増えない” の続きを読む

低賃金誘導政策

補助金を受け取った事業者があっちで安売りを始めたり、保育を無償化された主婦が低賃金でもOKな労働者として労働市場にでてきたり、助成金つかって老人や障碍者を雇用なんてしてて、そんなのと競争させられているわけだから。当然、賃金は抑制されるし、適材適所からも外れていく。これが、政府の低賃金誘導政策である。 “低賃金誘導政策” の続きを読む

そもそもスパコンに税金を使うべきか?

スーパーコンピューターを開発するベンチャー企業の社長が補助金詐欺で捕まった。予算獲得時の名目と異なる形で経費を支出し、それをごまかしたために詐欺罪に問われることになったのだという。

だが、素晴らしい技術を絶やすなとの声も聞かれる。自由に研究できなければ、世界と競争できない、もっと研究費の使途は自由でなければならないという人もいる。

ところで、そんなに素晴らしい技術なら、理解できて利益を回収する段取りができると思う人たちが出資してやったほうがよかったのではないだろうか?

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残業規制の帳尻合わせに殺される弱者

「時短ハラスメント」なる言葉が使われるのだという。

残業時間を減らせという圧力の一方で、生産性を確保できず、追い詰められる人が生じている。残業する前提で仕事をしていた人に、残業しないで同じ報酬をとれるような成果をだせというのだから、無理が生じるのは当然だ。 “残業規制の帳尻合わせに殺される弱者” の続きを読む

市場における「価格」の機能

市場における価格は、何が世の中に必要とされているのかを知る手段だ。

需要が供給を上回れば価格は上昇し、その逆なら価格は安くなる。人々は自ずと価格が高いものを生産する動機を持ち、価格が安くなってしまったものの生産から撤退していく動機を持つ。これが市場における「価格」の機能だ。

人々の自由にまかせれば、あらゆる多様な選択肢が試されていくことになる。自ずと不足する需要を満たしながら、過剰な供給がそぎ落とされていく。それが市場という巨大な装置の力である。 “市場における「価格」の機能” の続きを読む

人はパンのみにて生くるにあらず

コンビニでパンを買うときに、いったいどれだけの税金がかかっているだろうか?

小麦を仕入れれば関税で3.5倍になってしまう。そこに様々な人が手を加えれば人件費に3割以上の税金が上乗せされる。私たちが労働から賃金を得るときも、そして手にしたお金を支払うときにも税金を上乗せされる。もちろん、生きているだけでも住民税を課税されている。他にも色々な名目で税金が上乗せされている。

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雇い止めを招いた法律

3カ月更新の契約で17年勤務…そして、突然の「雇い止め」

「法制度やルールをつくっても、運用する現場の方々に温かい心が通っていなければ、このように不条理なことになる。」などという人もいる。

もちろん、現場に温かい心があればよいだろう。温かい心で他の社員が減給を受け入れたり、温かい心で銀行が返済を免除してくれたり、温かい心でその会社の製品を消費者が買ってくれたらうまくいくに違いない。だが、そんなことはもちろん起きない。まったく残念な話である。

三カ月更新で雇われている人は、三カ月更新だから雇われることができていたのである。長期契約に変更するなら、もっと給料を減らさないと辻褄が合わなくなる。だけど減給を法律は許さない。

労働者の交渉の機会が奪われている。「無期雇用にしてほしいと言われたら雇用主は応じなければならない」という法律なのだから仕方がない。無期雇用にしてほしいなんて言うつもりなんて全くなくても、リスクとみなされることになる。

雇い止めされたくなかったら、期限がくるより前に待遇を割り引く前提で交渉をしないとダメなのだけど、法律が禁止している以上は雇用主から声をかけることは絶対にできない。だから、仕方ない。

この春に雇い止めされなかった側の人は、特別な地位を獲得して新しい特権階級になる。雇い止めされた側の人たちは、これまで以上に契約社員になることが難しくなる。無期雇用に転換できるような会社のポストはもはや埋まってしまったからだ。

 

「弱い労働者を守るための法律」が弱者を殺してしまう、そんなまっとうな批判もある。だが、連合のような大企業の労組が求めた法律が「強い労働者を保護するための法律」なのは当然のことなのかもしれない。一旦作られた既得権を壊すことは難しい。無期雇用を獲得した人は、無期雇用を守れと言うに違いない。

各地で雇い止めに反対するさまざまな紛争が起きている。とくに、公務員や大企業の労組は強くアピールしている。

だが、この椅子取りゲームの構造をみるとこうだ。

国立大学や公務員であればまだ「納税者の皆さんお金下さい」で帳尻合わせができる。民間企業であればその税負担ももちろん追いかけてくる。大企業であれば消費者や下請けにそれを転嫁して帳尻合わせができる。けれどもそれを受け止める人たちもいる。

地位のある強者による搾取でしかない。

最低賃金法の影響に苦しめられる弱者

女性の社会進出によって男性の所得が下がり、労働時間も長くなった

 

女性の社会進出によって男性の所得が下がり、労働時間も長くなった

女性の社会進出によって男性の所得が下がるのであれば、男性の労働時間も短くなるのが自然なのに、実際には男性の労働時間は変わらないまま所得だけが下がる。そんな話がなぜ起こるのだろうか?

外で働くと得だと思った女性が勝手に働くようになったなら社会の効率はよくなるだろう。だが、外で働くと損だと知ってる女性が外で働くように強制的に税金で調整し向けたのだから、生産性は悪化して当然だ。

そうでないとしたら、働かなかった女性は単に間抜けだったという話になる。もちろん、そんなはずはない。誰しも一生懸命生きていたはずだ。

個別の事情はともかく政策的には、保育や育児といった価値のある仕事を税金を使ってタダや格安にしてしまったり、女性を雇った企業に補助金を配ったりしたのだから、所得水準が下がったとしてもまったく当たり前の結果だ。全体の生産性を強制的に落とした上で、下駄を履いた女性と男性を競争させているわけだから、まったく仕方ない話なのである。

自由な選択を政府の強制力によって捻じ曲げることによって、常に効率は悪化する。それを誤魔化すためにさらに政府の強制力によって対策することを求めれば、さらに効率は悪化する、どんどん悪化する。果てしなく膨張する不幸を我慢せよ、人々が政府に規制や優遇を求めるならそれは当然の結果だろう。

政府の中の人は、はたして本当に税金を使った女性の就労の補助で生産性が高まると考えたのだろうか?単に政党の支持基盤を強化したいがために、調子のよいことを言っていただけではないだろうか?

最低賃金法に苦しめられる弱者

最低賃金法の影響に苦しめられる弱者

最低賃金以下は働くなという規制がある。時給400円でいいから雇ってくれ、ホームレスにそんなことをいう権利はない、法律で規制されているからだ。だから、空き缶を必死に集めて現金を作る。

ホームレスは行政に助けられれば良いという人もいる。だけど、行政は多様なホームレスを助けることができない。決められた紙切れを出さないと行政は助けてくれない。最低賃金法を強制するなら、行政はあらゆる失業者を救済するべきだが、現実にはそんなことはできていないのである。

ホームレスだけではない、最低賃金以下で職にありつけない人は最低賃金以上を稼げる職業に就くことを強制される。最低賃金法のせいできつい労働を選ばざるをえなかったり、心や体のストレスの大きな仕事を選ばざるを得なくなっている人もいる。 “最低賃金法の影響に苦しめられる弱者” の続きを読む

NHK受信契約の強制と天賦人権論

NHKの受信契約を強制することができるとの最高裁判決が話題だったので、メモを残す。(以下、カギかっこは判決要旨から。)

「放送は、憲法21条が規定する表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものとして、国民に広く普及されるべきものである。」

本来の意味では、「知る権利」はそもそも言論・表現の自由を政府が邪魔しないことによって生じるものだ。それがひっくり返って、知るべき情報を政府が管理して与えることを「知る権利」と呼んでしまっているのである。 “NHK受信契約の強制と天賦人権論” の続きを読む