終戦直後に作られた国家事業としての巨大売春所,特殊慰安施設協会(RAA)

日本政府は、ポツダム宣言を受諾して太平洋戦争が終結すると直ちに、特殊慰安施設協会と称する事業を国家主導で開始した。シカゴ・サン東京特派員が「世界最大の売春トラスト」と呼んだ巨大事業は、ポツダム宣言受諾直後から連合軍が上陸するまでのわずかな期間から急速に展開した。

全盛期には日本人女性7万人が売られた。この出来事は、終戦のどさくさで一部のヤクザがよからぬことを企てたという話ではない。国家の中枢にあった官民にわたる大規模な構造が、独占していた立場を利用して、国民から奪える限りのものを奪い、それを足掛かりに自らを温存し、戦後日本に強い影響を残すことになったという話なのである。

敗戦に至ってもなお国民を利用し、経済的背景と強力な連携を確保し続けた権力は時代を下って現代に至るまで国家の中心に居座り続け、しかも終戦のその瞬間にさえ暴力をふるっていた。

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古代から明治政府へと続く日本の性産業の歴史

管理売春は人身売買の一形態となりがちであり、日本では古代の奴隷制に由来する非常に長い歴史がある。古代の奴隷制は、支配者を権威化・儀式化し、信仰の対象として発達するとともに、権威主義的な王権を成立させた。大化の改新後も、神官の権威を血縁主義によって引き継ぐことになった貴族達が姿を変えながらその構造を引き継いでいった。奴隷交易と性産業は結びつき、さらに神道と互助関係を形成した流れが起きた。結果的に、日本では、奴隷制に由来する人身売買とその一形態である組織的売春は、古くから巫女・神社に結びついた。

江戸時代末期には、討幕運動とも結びつき、明治以降も政府と非合法結社の癒着した構造を経済的背景として時代を下っていくことになる。政府と性産業・人身売買の癒着構造は、遊郭における年季雇用、殖産興業における女工の年季雇用、戦時中の従軍慰安婦への流れを作り出し、近代においてもしばしば政府が干渉し、性産業や人身売買に対して独占を支援する政策をとった。

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