難民支援と難民生産の関係

同盟国Aが同盟国Bに武器を売る。同盟国Bが民族Pを迫害して、民族Pは隣国Cに流出する。別の同盟国Dが隣国Cを難民支援する。Bは民族Qの自国移入を無制限に認めていて、Bからの民族Pの人口流出と民族Qの人口流入は同程度である。 悪いのはA~Dのうち、どれだ?

国家が奪い合いの道具として悪用されている。民族Qが暴力で民族Pを追い払って、土地を得る。AもBもCもDも、そのための道具に過ぎない。

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売春は最古の商売

売春は最古の商売のひとつであったと言われる。

なるほど、物々交換によって互いの欲しいものを手にしようとする段階より前に、異性に何かを貢いで生殖機会を得ようとする取引は、もっとも最初の取引かもしれないと思えなくはない。つまり、これが最初の売春であり、婚姻なのだろう。

たしかにこのような取引関係は、ヒトに限定せずとも多くの動物種にみられ、たとえば鳥類の求愛給餌などはよく知られている。オスがメスの気を引くためにエサを運び、メスがそれに応じて交尾に応じるとすれば、そこには取引関係が生じたということができそうだ。

暴力的な関係によって生殖機会を得ようとする動物種もまた少なくはない。つまり、オスがメスの合意を待たずに交尾を企てるわけだ。人間社会の言葉を使えば、強姦による生殖ということになる。

ある種の取引関係を構築すれば、そうしない場合よりも長期間、手の込んだ子育てが可能になることで生存の可能性が増える、オスとメスの分業が成立するからだ。一方、面倒な拘束関係を省略することで、より多くの生殖機会を得ることができる。

ヒトに関していえばどうやら前者の傾向が強そうだ、という話になるが、実際のところ、どちらの傾向を持つ動物種も進化的に淘汰されずに残っている。つまり、動物一般に関していえばどちらが各段に優位になるというわけではなく、あるニッチにおいては前者が有利になり、別のニッチでは後者が有利になっていて、分業が成立することで「婚姻関係」が優位に働くこともあれば、分業のメリットが薄く「婚姻関係」が不利に働くこともあるわけだ。

たしかに売春は最古の取引のひとつであり、最初の経済活動のひとつらしいということに気づくと、さらに、それは婚姻の原始的なバージョンなのかもしれないということにも気づく。それはヒトに限られた話ではなく進化の系統樹のかなりの広さにわたって見られる話なのかもしれないと気づくと同時に、それは唯一の選択肢ではなさそうだということにも気づく。