実質賃金が増える条件
政治が実質賃金を減らす要因は次の3つである。
- 課税や社会保険料によって、稼ぎの上前をハネる。
- 国債発行によって、通貨価値を薄めてしまう。
- 雇用契約や営業の自由を制限して、制度に適合するためのコストを増やす。
人々がこれらのマイナス要因を上回って余計に働き、差し引きしても実質的な成果が増えた場合だけ、実質的な賃金は増える。
実質賃金を減らす簡単な方法
政府による富の再分配は、上記のコストが増やす。
とくに、経済的に成功している人に重い負担をさせる強制的再分配には、実質賃金を大きく減らす効果がある。市場にモノやサービスが供給されないなら、いくらお金を手に入れても欲しい物を買うことができない。つまり、実質賃金は下がってしまう。
いわゆる金持ちへの課税は、より多くの成果を市場に供給している者への懲罰であるから、実質賃金を大きく押し下げる効果がある。
「実質賃金を減らしてでも再分配するべきである」ということはできても、「実質賃金を増やし、しかも、再分配しろ」というのは無理筋である。