破綻している生活保護

生活保護という制度は、とっくに破綻しています。

皆さんは、生活保護の捕捉率をご存じでしょうか?

つまり、生活保護が必要とされる水準の所得・財産しかない人たちの中で、役所に生活保護を受け取っている人の割合です。

もちろん、役所に捕捉されていない人の割合なので、公式な統計はありませんが、生活保護の捕捉率の研究はいくつかあります。定義によって変わりますが、例えば日本弁護士会の資料によれば、9%~20%の範囲であろうという話です。

この数字を見て、もっと捕捉率を高めるべきだというのはもちろん大切なことに思えます。しかし、もう一つの深刻な事実に注意しなければなりません。それは、日本の生活保護費がすでに3.8兆円に達していること(厚生労働省)です。

世帯当たりの生活保護費負担

日本には5300万の世帯がありますのでおおよその世帯当たり負担を見積もることができます。

3.8兆円/5300万世帯=72000円/世帯

7万円くらいの税金が生活保護のために使われているという話なら、受け入れられなくはない数字かもしれません。しかしこの数字が実は、捕捉率9%~20%の現状で必要な金額なのです。

たとえば、現在の捕捉率が20%だとして捕捉率を100%にすると家計負担は次のようになります。

72000円/世帯×100%/20%=36万円/世帯

これが最も楽観的に見積もった数字です。

つぎは、捕捉率が9%という数字を採用してみましょう。

72000円/世帯×100%/9%=80万円/世帯

年間80万円の家計負担が必要になるわけです。

実際には、増税すれば解決できるという簡単な話ではありません。増税するほど家計は圧迫されるため、増税することによってさらに追加の生活保護世帯が生じてしまうからです。

国家予算に対する生活保護費の割合

もう一つの計算をしてみましょう。

現在の生活保護費支給額が3.8兆円であることはすでに述べました。これは、国家予算のうちのどれだけの割合を占めているのでしょうか?

日本の国家予算は一般会計100兆円程度、特別会計は200兆円規模だと言われており、合計で日本の国家予算は300兆円くらいと言われています。

つまり、国家予算の1.3%が生活保護の支給に使われているということになります。なるほど、その程度なら仕方ないと思えるかもしれません。

しかし先ほどと同じように、生活保護の捕捉率を20%から100%に引き上げてみましょう。すると、国家予算に占める割合は、

1.3×100/20=8%

捕捉率が9%だと仮定すると

1.3×100/9=14.4%

生活保護の捕捉率が100%になると、少なくとも国家予算の8%~14.4%が生活保護の支給だけのために使われることになります。

もちろん、そのようなことをすれば現在行われているような公的サービスを大幅に削減するか、大幅に増税するかしか選択することができません。

先ほどと同じ結論になりますが、生活保護を真面目に実施すると、日本人は今まで通りに稼ぐことが出来なくなってしまい、生活保護の必要な人が増えてしまう結果になるのです。

破綻している生活保護制度

このように、生活保護制度は、すでに破綻しています。

実は、額面通り真面目に支給すると国民生活が成り立たなくなることは明らかで、単に役所による捕捉率が低いことによって制度が維持できているありさまなのです。

もしも、生活保護制度が完全に機能したら、生活保護制度のために、生活保護の必要な人が増えます。もちろん、そんな制度は成り立っていません。

お役所の非効率な仕事ぶりのおかげで破綻していないように見える、そういうとても間抜けな制度になっているのです。

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