インフレで誰の給料が増えるっていうのか?

インフレになると給料が増える、そんな期待をしている人がいます。
物価が上がるなら、給料は増えるに決まってるじゃない?そういうわけです。

でも、その期待は楽観的かもしれません。

企業にとって、物価上昇は人員整理のチャンス

物価が上昇すると給料が増えるのはなぜでしょうか?
それは、給料を増やさないと従業員が会社を捨てて転職してしまうからです。それで困るのはなぜでしょうか?仕事がまわせなくなるからですね。

でもちょっと待ってください、会社からみると、従業員を雇い続けるか、整理するかというのは選択できることです。

会社が雇い続ける選択肢を採用しがちなのは、良いか悪いかはともかくとして解雇が法律で規制されているからですね。だから、従業員をどうしても整理したいときには会社は法律スレスレの方法で従業員の待遇を悪化させたりすることさえあります。

でも、インフレ局面ではそんな心配をする必要はありません。退職してほしい従業員の給料を据え置けば済むのです。インフレでは貨幣の価値が減っていくので、貯蓄や給料の実質的な価値が減っていきます。給料を据え置かれた従業員は、たまったものではありません。転職先を必死に探すしかなくなるわけですね。

現在の日本では、長期の雇用契約はおおよそ割高とみなされています。でも、インフレ局面であれば人員整理のチャンスになるわけですね。

政府主導のインフレでは、政府から遠い人ほど損する

さらに政府主導の人為的なインフレではもう一つの問題があります。

政府がお金をばらまくのですから、政府に近い人ほど、物価の上昇の恩恵を早く受けるわけです。

政府と縁の遠い人は、自分が買うモノの値段ばかり上昇して、なかなか自分の利益が増えない状態を経験します。そして、自分の給料が増えたころには、まわりの物価は全部上昇して実質的に賃金は増えていないか、むしろ減っていると気づくわけです。

人員整理が進むといっても、それはインフレの恩恵が少ない企業での話。政府主導のインフレ局面では、大企業の従業員や公務員の給料は上がりがちになる一方、中小企業の従業員は待遇がなかなか変わりません。

所得格差が増えてしまうわけですね。

政府主導のインフレで得するのは誰?

政府主導のインフレで得するのは、機械的に報酬を増やしてもらえる公務員や、公共事業や補助金といった政府のバラマキの恩恵を直接受けている会社の従業員、そして、そういった会社の株式を保有する人たちです。

政府主導のインフレでは、政府と距離をとる会社ほど損して、政府にすり寄る人ほど得をすることになります。かくして、いわゆる縁故資本主義の支配構造が強化されていくのです。

政治家と癒着しない経営者は、顧客を満足させ評価してもらっていたとしても、次第に経営資源を失っていき、淘汰されてしまいます。

政治家と仲良くなって納税者に金ヨコセばかりする企業ばかりが温存されてしまうのです。

 

 

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