雇い止めを招いた法律

3カ月更新の契約で17年勤務…そして、突然の「雇い止め」

「法制度やルールをつくっても、運用する現場の方々に温かい心が通っていなければ、このように不条理なことになる。」などという人もいる。

もちろん、現場に温かい心があればよいだろう。温かい心で他の社員が減給を受け入れたり、温かい心で銀行が返済を免除してくれたり、温かい心でその会社の製品を消費者が買ってくれたらうまくいくに違いない。だが、そんなことはもちろん起きない。まったく残念な話である。

三カ月更新で雇われている人は、三カ月更新だから雇われることができていたのである。長期契約に変更するなら、もっと給料を減らさないと辻褄が合わなくなる。だけど減給を法律は許さない。

労働者の交渉の機会が奪われている。「無期雇用にしてほしいと言われたら雇用主は応じなければならない」という法律なのだから仕方がない。無期雇用にしてほしいなんて言うつもりなんて全くなくても、リスクとみなされることになる。

雇い止めされたくなかったら、期限がくるより前に待遇を割り引く前提で交渉をしないとダメなのだけど、法律が禁止している以上は雇用主から声をかけることは絶対にできない。だから、仕方ない。

この春に雇い止めされなかった側の人は、特別な地位を獲得して新しい特権階級になる。雇い止めされた側の人たちは、これまで以上に契約社員になることが難しくなる。無期雇用に転換できるような会社のポストはもはや埋まってしまったからだ。

「弱い労働者を守るための法律」が弱者を殺してしまう……そんな声も聞こえる。だが、連合のような大企業の労組が求めた法律が「強い労働者を保護するための法律」なのは当然のことなのかもしれない。一旦作られた既得権を壊すことは難しい。無期雇用を獲得した人は、無期雇用を守れと言うに違いない。

 

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